旅をしていると、思いがけない出会いがあるものです。
人との出会いもあれば、食との出会いも。そして、空との出会いも。
この日、私はふと足を止めた高台の街角で、とても印象的な空に出会いました。
住宅街の静寂に忍び寄る“黒い来訪者”
ゆるやかな坂道を登ってたどり着いた小さな丘の上。
白い手すりが連なる歩道の先に広がっていたのは、どこまでも続く住宅地と、その上空に広がる分厚い雲の壁でした。
写真の右側にはすでに大粒の雨が降っているのがはっきりと見え、まるでその雨のカーテンが、徐々にこちらへと歩み寄ってくるようでした。
それはただの天気の変化ではなく、自然が見せる劇的な演出。
遠くの空がまだかすかに夕焼け色を残しているのもまた、対照的で美しく、胸を打たれました。
旅人の足元にも忍び寄る気配
写真には偶然、作業中の人々の姿も写っています。
この一枚は、ただの風景ではなく、「生活の一コマ」でもあるのだと気づかされます。
私が旅人としてこの場を通りがかったその瞬間にも、この街ではいつもの暮らしが流れている。その風景の一部に自分がふっと溶け込んだような、不思議な気持ちになりました。
足元に風が吹き抜け、空気が一変するのを肌で感じる頃には、もうすぐ雨がここにも届くことがわかります。
カメラを構えながら、どこか映画のワンシーンの中に入り込んだような気分でした。
雨に追われるように、次の目的地へ
数分後、空は一気に灰色に覆われ、ついに雨が降り出しました。
先ほどまで遠くの出来事だった雨雲は、すっかりこの場所を支配し、見晴らしもきかなくなります。
それでも、不思議と心は落ち着いていて、むしろこんな自然の迫力を間近に感じられたことに、少し感動していました。
慌てて傘を広げながら、私はまた歩き出しました。
旅の途中には、晴れだけじゃなく、こんなドラマチックな“雨の訪問”もあるんだと、少し嬉しくなりながら。
おわりに
この出会いはほんの数分の出来事でしたが、旅先での思い出としてはとても鮮烈に心に残っています。
きっとこの先も、あの黒い雲と静まり返った街の光景を、時折思い出すことになるでしょう。
次に旅先で雨雲に出会ったときも、きっと私はまた空を見上げてしまうと思います。
そんな気持ちにさせてくれる、特別な一瞬でした。
🌧️ ゲリラ豪雨が近づいているときの対策
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屋内や安全な建物内へ早めに避難しましょう
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アンダーパスや低地には近づかないようにしてください(冠水の危険あり)
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河川や用水路の近くから離れること(急激に水かさが増すことがあります)
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雷の音が聞こえたら、金属製の物から離れ、高い木の下などにも近づかないようにしましょう
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移動中の場合は、無理をせず立ち止まって安全を最優先に
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スマホの雨雲レーダーや警報アプリで最新情報を確認してください
雨が過ぎたあとの空も美しいものですが、まずは安全が第一です。